中国の「醤」がいつ頃どのように日本に伝来したのかは良く分かっていません。701年「大宝令」に「醤」という文字が登場し、
中国にはない 「未醤」という言葉もみられます。これは「醤」に日本人が工夫を加えた新しい調味料で、みその前身ではないかと考えられます。
この時代から禅宗の寺では中国からやってきた僧の影響で、すり鉢が使われるようになりました。そして「粒みそ」をすりつぶした「すりみそ」が造られ、
水に溶かして「みそ汁」として武家や僧侶など当時の特権階級の食事で飲まれていました。みそ汁が一般的に普及するのは、室町時代になってからのことです。
北海道のみその製法は来道した杜氏による移入技術で始まりました。しかし、本州と同じ造り方では良い味噌にならず、 苦労に苦労を重ねて北海道独自のみそ造りをしてきました。そして、その造り方に北海道の気温・湿度、水などの自然条件が大きくかかわって、
北海道らしい高品質なみそが造られてきました。半年が氷温に近く、盛夏でも平均気温22℃にしかならない冷涼な地であるため、長期の熟成や切返しを要し、すっきりとした芳香の温和な味が生み出されるのです。
このようにして造られる北海道味噌は、
(気候が冷涼なので長期の熟成と切返しを要するため)
料理に使われる素材の味を活かし、くせのない万人向きの味が特徴です。
【参考文献】
1.西沢郁夫:味噌の科学と技術 44(2)、55(1996)
2.西沢郁夫:味噌の科学と技術 52(1)、13(2004)
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